個人再生手続の種類
個人再生手続には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、それぞれについて、住宅ローンの支払継続を前提とした個人再生手続(住宅資金特別条項付の個人再生)が可能です。
どちらの手続も、通常の民事再生手続と比べて、手続や費用等の負担が軽くなっており、住宅ローン以外の担保のついていない借金が5000万円以下の場合に利用出来ることでは共通しますが、以下の点で相違点があります。
小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続の相違点
(1)小規模個人再生は、将来継続的または反復して収入が得られる見込みのある人が利用出来ます。例えば、個人事業主や農業に従事している人などです。
(2)給与所得者等再生は、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり、かつその額の変動の幅が小さい(大体20%以内)と見込まれる人が利用出来ます。例えば、毎月給与をもらっている会社員や公務員がその典型です。
また、給与所得者等再生は、7年以内に破産手続等を利用したことがないことが必要です(小規模個人再生は不要)。
なお、どちらも利用出来る人は、いずれの手続を利用することも可能です。
(1)小規模個人再生は、返済額について、清算価値保障要件をクリアする必要があります。
(2)給与所得者等再生は、清算価値保障要件以外に、本人の手取り収入額から政令で定められた生活に必要な最低額を引いた額(これを、「可処分所得」といいます。)の2年分以上を債権者に支払わなければならないという縛りがあります。
(1)小規模個人再生は、再生計画案に反対する債権者の数が、全債権者数の半数未満で、かつ、その反対する債権者の債権額合計が、全債権額合計の2分の1以下でないと、再生計画案の認可を受けることが出来ません。
(2)給与所得者等再生の場合は、債権者が反対したとしても、裁判所は再生計画案を認可することが出来ます。
以上のとおり、給与所得者等再生については、可処分所得要件があるために、例えば手取り収入が高額な人や一人暮らしの人などにとっては、返済額が高くなってしまう可能性があり、その場合は小規模個人再生を選択した方が有利ということになります。一方、小規模個人再生では、再生計画案が、過半数の債権者数あるいは債権額の過半数を有する債権者に反対されてしまう可能性もあるので、多数の債権者による反対が予想される場合は、給与所得者等再生を選択した方が安全ということになります。
結局、小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらが有利というわけではなく、その具体的事情に応じてとるべき手続を選択することになります。
なお、上記の個人再生手続は、個人を対象にしたものですが、主に法人事業者を利用対象者とする通常の一般民事再生手続もあります。
一般民事再生手続は、再生計画の議決にあたって債権者集会が開催されることが原則ですし、必要に応じて債務者を監督する監督委員が選任されることが一般であり、債務者に代わって事業経営を行う管財人が選任されることもあり、また、返済段階でも一定の期間は返済の監督又は管理が続けられるなど、個人再生手続と比して手間も費用もかかります。
しかし、一般民事再生手続の場合、個人再生手続のように債務額が5000万円を超えるため利用出来ないといった制限はありませんし、法人でも利用することが出来ます。
従って、個人再生手続の利用が難しい場合には、一般民事再生手続の利用を検討されてもいいかと思います。当事務所ではその場合にも対応いたしますので、まずはお気軽にご相談下さい。